ヴィエルコポルスカ地方のポズナンを代表する伝統菓子「聖マルチンのロガル(Rogal świętomarciński)」は、白ケシの実やマジパン、ナッツ、ドライフルーツをたっぷりのバター入りパイ生地で包んだスイーツ。毎年11月11日の聖マルチン祭で貧しい人々へ菓子を配ったという史実からはじまったスイーツで、現在もこの日になると街全体が甘い香りに包まれます。その味わいは、ポーランドの食文化を象徴するものとして国際的にも高く評価されています。

さらに注目すべきは、この「Rogal świętomarciński」という名称が、EUの保護地理的表示(PGI)に登録されており、ポズナンでつくられたものだけに許されているという点。「聖マルチンのロガルは、まさに「ここでしか出会えない本物の味」なのです。
どこで味わえる?
ポーランド西部にある都市ポズナン(Poznań)は、中世ポーランド王国の最初の首都でもあった街。美しい旧市街には、旧市街広場(Stary Rynek)、ポズナン大聖堂、皇帝城(Zamek Cesarski)などの見どころのほか、ロガルづくりを楽しみながら知ることができる博物館「Croissant Museum of Poznan」もあります。
毎年11月11日の聖マルチン祭(Święto Marcina)ではパレード、コンサート、市内レストランでのロガル販売などが行われ、街全体が祝祭ムードでにぎわいます。また、11月中旬〜年末まで開かれるクリスマスマーケットや同時開催の「国際氷彫刻フェスティバル」でも人気の都市です。