マドレーヌ

対象エリア: コメルシー

今や世界的に有名なマドレーヌですが、その発祥地は、東フランスに位置するグラン・テスト地方のコメルシー(Commercy)という人口5300人程の町です。

マドレーヌの誕生は1755年、当時この地域を治めていたポーランド王ロレーヌ公スタニスラスが主催する晩餐会でのことだと伝わります。その夜、料理を管轄するシェフとケンカをしたパティシエはデザートを作らずに出て行ってしまいました。このピンチを救ったのが、給仕係の若い女性。卵、バター、砂糖など限られた材料で彼女が作った小さな黄金色の焼き菓子は、スタニスラス公や来賓にも絶賛される美味しさでした。その給仕係の女性の名にちなみ、スタニスラス公はこのお菓子をマドレーヌと名付けたそうです。

コメルシーでは、マドレーヌを焼く職人のことを敬意を込めてマドレーニエと呼ぶのだとか。また、マドレーヌの大きさについては、普通サイズのものと、その半分程度の大きさのマドレイネットの2種類があります。

どこで味わえる?

コメルシーは、世界文化遺産にも登録されているアール・ヌーヴォー発祥の街ナンシーから西に約40㎞のあたりに位置。ナンシーからは直通の列車で40分ほどなので、ナンシー観光と合わせ、コメルシーまでマドレーヌを食べに出かけてみては?

この町ではマドレーヌが木箱や紙の箱に入って売られていることが多いのですが、これはパリをはじめとする各都市に鉄道輸送する際、マドレーヌがつぶれないよう木箱などに入れて送られていた名残。箱はそれぞれのお店こだわりのデザインで作られており、食べ終わってからも小物入れとして活用できるが魅力です。

お値段は、市内に数軒あるマドレーヌ専門店の一つ「A la Cloche Lorraine」では12個入り5.6ユーロとなっています(2025年現在)。

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