ハンガリーでは復活祭(イースター)に、一家で食べる特別なご馳走を用意します。メインとなるのはじっくりと熟成し、手間ひまかけて作った上質なハム。農家では豚を絞めたときに最も良い部位をイースターのために取り分けておいてハムを作ったり、一般家庭でもイースターハム用にわざわざ高品質な肉を手に入れたりするほど、そのクオリティーが重視されます。
これはカトリック国ハンガリーの「イースター前の四旬節の40日間はほとんど肉を口にしない」という古くからの慣習に由来するもの。イースターは四旬節明けに“晴れて肉を存分に食べられる”お祭りでもあり、だからこそ長期保存の効くハムに、できる限り上質で美味しいものが求められたのです。
どこで味わえる?
イースターハムはゆでたり、外側を香ばしく焼いたりしてからスライスし、西洋ワサビ、ゆで卵、そして三つ編みのパンと一緒にいただきます。残念ながら日本にハムを持って帰ることはできませんが、レストランなどで上質なハムを召し上がる際は、ぜひ、こうしたエピソードとともにお楽しみください。
ちなみに2026年の復活祭は4月5日。復活祭時期には、ホテルやレストランで復活祭コース料理が提供されます。