プルクルト（Pörkölt）は、豊かな風味ととろみのある食感が特徴の牛肉のシチューで、「ハンガリーシチュー」とも呼ばれるほど人気の高い伝統料理です。
細かく刻んだ牛肉と、柔らかく透き通るまでソテーした大量のタマネギ、そしてもちろんハンガリー産粉パプリカ調味料をたっぷりと使って作られます。少量の水で長時間煮込むか、ソテーにして仕上げ、麺やジャガイモと一緒に食べるのが一般的です。
どこで味わえる？
ハンガリー各地のレストランで、本場の味わいをお楽しみください。
今やハンガリー料理に欠かせない調味料「粉パプリカ」ですが、その元となるパプリカがハンガリー持ち込まれたのはオスマン帝国が侵入してきた16世紀初頭のこと。ある文献によると、ハンガリー王国へ唐辛子を持ち込み、その後の野菜栽培を成し遂げたのは、バルカン半島を北上するオスマン帝国から逃れて来たブルガリア人だったとされています。彼らがオスマン帝国へ供給する野菜を栽培するために持ち込んだ園芸技術が、ハンガリーでさらに高度化し、20世紀からはハンガリーで食用パプリカの品種改良がスタート。現在、ハンガリーでは100種類以上のパプリカが栽培されており、季節を問わず市場で見かけるほどになりました。有名なパプリカの産地は、南ハンガリーのセゲドとカロチャです。